医療介護職にとって最も必要なものとは…

2021年6月17日(木)

三股町、都城市の皆さんこんにちは。

たでいけ至福の園で理学療法士をしております外山です。

今回は私が読んだ本の中から、医療従事者として「はっと」気づかされた内容について紹介したいと思います。

本の題名は「脳卒中だった理学療法士が伝えたい、本当のこと」

 本の著者は脳卒中経験者でその後、理学療法士の資格を取得され現在も理学療法士としてご活躍されていらっしゃいます。その著書の中で改めて考えさせられた内容をいくつかご紹介したいと思います。

医療、介護職に必要な要素とは何でしょうか? 

対応できるような知識力? 

それとも技術力? 

または知識や技術を臨床に適応させることができる思考力? 

医療介護職に携わる人々に必要な能力は多岐にわたり、著者が思う医療・介護職に最も大切なこと。それは、「患者さんのために真摯に向き合った結果としてその人の行動を変えることができる力」

いわゆる“人間力”だとおしゃっています。

私も一人の理学療法士として改めて初心に返った瞬間でした。

また、著者は、

「患者様、利用者様に何かを提供する時に、それを自分で行ったことはありますか?」

との問題提起もされていました。

その問いに対し、私が真っ先に頭に浮かんだのは当施設でも利用者様が身近に利用されておられる車椅子でした。

思えば、私が実際に車いすの乗ったのは、専門学校時代に授業で学んだ際や働き出してから調整等で短時間携わる程度でしかないことに気づかされました。利用者様の毎日に生活に寄り添う職種でありながら、まだまだ気持ちを汲み取れていないことに気づかされました。  

そこで、それではいけないと思い、機会を見つけてなるべく車いすに接する時間を設けることにしました。今、このブログを書いている最中も車いすに座っているところです。

 実際数時間座ってみて感じたことは、座面接触面積が適正でないと臀部(特に座骨結節)への圧が高くなりポジショニングが必要になること、背もたれのシート部分においては、人の正常な脊柱のアライメントである腰椎前湾の支持性がなく円背姿勢が助長される傾向が高く感じられました。理学療法士としては、おおよそ理解はしているものの、今回の様に実際に体験するのとしないとでは全く違うものであると身に染みて感じ、車椅子利用者様の思いを共感する貴重な体験でありました。

 たでいけ至福の園には様々の状態の利用者様がおられます。

 完全にその方々と同じ状況にはなれなくとも、できうる限りその方の思いに近づき、寄り添う気持ちをもって、理学療法士として頑張っていこうと決意を新たにしました。

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