人や地域とのつながりが意欲や生きがいを生む

2023年11月28日(火)

三股町、都城市の皆さまこんにちは。

たでいけ至福の園 有料老人ホームの作業療法士 礒辺です。

2020年1月から新型コロナウイルス感染症が流行し、ようやく今年2023年5月に5類移行となり、現在は以前のような日常が少しずつ戻りつつありますね。

当たり前だと思っていた日常の何気ない人と人との交流や地域との関わりが途絶えてしまい、至福の園でもその影響は少なくありませんでした。

今回はコロナ渦から流行が落ち着き、交流や関わりが再開された際の入居者N様のエピソードについてお伝えさせていただきます。

N様の特技・趣味は裁縫です。以前は周囲の方と語り合いながら、作品作り等を楽しまれておりました。しかしコロナ渦で限られた空間で、限られた人のみとの関わりとなる中で徐々に裁縫への意欲も低下し、自分の部屋で一人で過ごされる時間が増えていきました。

リハビリの中で1対1で対話をすると徐々に本音が聞かれるようになり、

「自宅からデイサービスの方に来ている〇〇さんは元気にしている?顔が見たいね。」

「何か作っても、貰ってくれる人も喜んでくれる人もいないから」・・・など思っていることを伝えて下さりました。

そこで数名の職員の娘へ、ヘアピンやヘアゴムを作っていただけないか尋ねると、喜んで引き受けて下さりました。毎日「どんな色がいいかな?どういう風にしようか?」と取り組んでいただき、周囲には他の入居者様も集まり「これは〇〇さんの娘に作ってあげてるのよ~」と「あらNさん器用ですごいね~」と会話のきっかけとなる様子もみられました。

N様が裁縫を心から楽しめるのは、

“裁縫を通して人と人との素敵な関わりがあるから”

“作る目標や目的があるから” ということを教えていただきました。

コロナ渦では施設内の散策にも消極的なN様でしたが、デイサービス利用者様との数カ月ぶりの再会の場をセッティングすると張り切って車椅子を駆動し向かわれ、再会を喜ばれていました。

先日たでいけ至福の園でも4年ぶりに秋祭りが開催され、地域の多くの皆さまに来ていただき、多くの交流の中で人や地域の方々と関わることの大切さを改めて実感しました。

『目的があると、楽しみがあると、心がワクワクすると・・・体が動いて笑顔も増える』

リハビリを通してかけがえのないその人らしさのために、1人1人の豊かな生活のために、これからも私たちにできることを精一杯追い求めながら関わらせていただきます。

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