都城市、三股町の皆さんこんにちは!!
たでいけ至福の園デイサービス[あゆみ]にて、主任をしています作業療法士の中山玲奈です。
前回に引き続き、当施設で実施しているアクティビティケアについて取り上げていきたいと思います。
今回は、書道を用いた活動で利用者様の生活歴(人生歴)にスポットを当て、その方が「役割を持つこと」の大切さを再認識することが出来たケースについてご紹介したいと思います。
今回ご紹介するA様は転倒のリスクがある、ご本人が「こける」ことへの不安感が強いということで、当デイサービスを利用されることになった方です。
A様に色々お話を聞いていくと、A様は元々地域で書道教室の先生をされていて、たくさんの生徒さんに教えておられた方でした!
デイサービスにも少し慣れてきた頃には、「こういう作品を作っていたんだよ」「これは上手くできた時、これは何人かにフレームに入れてプレゼントしたなぁ」と徐々に自分の書の作品を元にお話をしてくださるようになりました。
私は、もう一度書道をしたい!と思っていただけるような何かができないかな。
など考え始めたのですが、
デイサービス中に、「今日はこれを書いてみましょう!」と言って私からお手本を渡すのは簡単だし…
教える立場だった方の尊厳もあるし…
など、作業の選択に困っていました。
そんな中、先日当施設で2ヶ月に1回程度行っている外部講師を招いた書道の活動日がありました。
何かA様にしてもらえることがあるはず…
私は事前に講師の先生とA様には参加者ではなくアシスタント役として指導者側に立ってもらうよう話を合わせました。
当日、A様に指導係をお願いすると「講師の先生に悪いんじゃないかな」とはにかみながらも参加していただけました。
その時のご様子は写真の通りです。
とめはねの指導や「さっきよりいい!上手くなっているよ」「うーん、もっとこうしたら?」といきいきと参加者に対してアドバイスをされていました。
最後に次回の活動の際お手本を書いていただくようお願いをして今回の活動は終了しました。
自宅に帰られる際、「昔は生徒のために徹夜をして資料を作っていたんだよ、次のために久しぶりに徹夜しないとな」と冗談まじりに次回の活動の意欲を引き出すことができました。
今回取り入れた書道という活動ひとつをとっても、様々な動作や思考の連続で成り立っています。筆を持つ・墨の量を調整・筆先の形を整えるなど手部の細かい調整またその工程の認識、半紙にまっすぐの姿勢で向かうための姿勢制御等の基盤が合ってこそ字を書くことができます。
日常的なリハビリテーションの中でこの一つ一つの動きを出すことはできます。
しかし、やってみたいという意欲を持って動作を引き出していけるのは「作業」の持つ最大の魅力だと私は考えています。
今回のA様のように、デイサービスという場を役割発揮のきっかけにしていく方があゆみでは多くいらっしゃいます。そのような事例を発信し、まずは知っていただきたいです。
百聞は一見にしかず、一度たでいけ至福の園にお越しいただいて日常の様子を見ていただくことも可能です。職員一同お待ちしています!
作業療法士 中山玲奈
※外部講師;石原真子様
ご協力いただき感謝いたします。