まだまだ理解されていない認知症

2021年11月3日(水)

都城市・三股町の皆様こんにちは。

たでいけ至福の園 作業療法士の山本です。

認知症という言葉を知らない人はほとんどいないと思います。

「認知症」という言葉は2004年に厚生労働省によって改定されたもので、それ以前は、「ぼけ」「物忘れ」「痴呆」などと呼ばれていました。

「ぼけ」はマイナスの意味で使われることが多い言葉であり、「物忘れ」は症状の一つであって、それだけが顕著に現れるとは限りません。「痴呆」に至っては、「痴…おろか」「呆…ぼんやり」といった侮蔑的な意味合いが含まれる漢字が用いられており、これらの呼び名だけで認知症に対する誤解を助長するには十分な状況でした。

その誤解から患者様本人も周囲の家族も認知症は、「怖いこと」「恥ずかしいこと」という間違った認識が広がり、本人やご家族が受診を拒否したり、隠したりすることも少なくありませんでした。

侮蔑的な意味を含む言葉で自分の存在を判断されたら、だれしも悲しいものです。

そこから、”認知症”という呼び方に変わったことで、以前に比べ、自分の状態に向き合えるようになり、早期発見や早期治療の機会が増えるなど、良い方向に少しずつ変わってきました。

しかし、まだまだ認知症症状への理解は十分でなく、改定前の通称のイメージに近いように私自身感じています。

認知症の症状というのは、認知症の正しい知識、理解がないと、ひとくくりに「何もわからなくなる」「できなくなる」と思われがちです。

実際はそうではなく、適切なタイミングで思い出せない、自分のことをうまく表現することができないだけで、多くのことを「覚えている」「解っている」方がほとんどです。

認知症とは脳の損傷によるものなので、症状の出方も人それぞれで、基本的な症状はあるものの、型にはめられるものではありません。

物忘れを中心とした年相応と流せる程度のものもあれば、混乱と不安からヒステリックになるケースもあります。

また、脳の損傷からくる認知症そのものの症状よりも、環境からくる付属的な症状の方が生活に支障をきたすことも多くあります。

認知症のケアとしては、本人様の話を否定することなく傾聴する、本人様が何をしたいのか、何を言おうとしているのか、察して会話をサポートするなど、不安にさせないケアが大切です。

たでいけ至福の園でも、認知症の方を不安にさせない環境づくり、「その人」寄り添ったケアに、職員一同日々試行錯誤しております。興味のあられる方は是非一度お越しください。

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