『自分らしさ』と向き合う

2025年8月12日(火)

三股町・都城市の皆様こんにちは!たでいけ至福の園で作業療法士として働いています倉田です。

皆様にとって「自分らしさ」とは何でしょうか?

たでいけ至福の園にはたくさんの利用者様がいらっしゃいますが、私たちはお一人おひとりにとことん寄り添い「その人らしさ」を尊重するケアを行っています。

そのために必要不可欠なのが【至福ケア会議】という、定期的に開催される会議です。

【至福ケア会議】では、利用者様の担当になっている看護師・介護士・セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)・管理栄養士・相談員を中心に、それぞれ専門職の視点でその方についてとことん話し合いを行います。一般的な会議(カンファレンス)であっても、多職種が集まって話し合いをする事はありますが、【至福ケア会議】との違いについてお話しさせていただきます。

通常のカンファレンスだと、既往歴やその方の症状、身体の動き、服用中の薬の種類など主に身体的なことを話し合い共有します。

一方【至福ケア会議】とは、利用者様の人生背景を知り、日頃の様子、趣味など、その方の人となりを良く知ったうえで各職種で利用者様のあるべき姿や過ごし方を導き出すハラケアシステム独自の取り組みです。

この会議を通して、今まで知らなかった人生背景や趣味活動を知る事も多く、利用者様や職員間でのコミュニティの拡大にも繋がります。

今回は実際に私自身がその方の人生背景を知った上でリハビリに入らせていただき、「その方らしさを尊重した方法」でリハビリを提供できた利用者様をご紹介させてください。

K様は以前、事務職関係のお仕事をされていて、その仕事ぶりやお人柄で様々なことに貢献された方でした。ご家族様だけでなくお仕事を通じてたくさんの人から慕われている方です。

初めてリハビリに入らせていただいたとき、通常の脳トレーニングのようなものにはあまり関心を示していただけず、表情も乏しいような気がしていました。

そこで以前のお仕事を彷彿させるような領収書(職員が作成した架空の物)の押印や住所の模写を依頼してみると、驚くほど集中して取り組まれていました。

そこに至福ケア会議で情報を共有している介護士や看護師など他の職員が「いつもありがとうございます。お仕事お疲れ様です。」と声をかけると笑顔も見られました。周囲の利用者様からも賞賛される事でコミュニティも広がり、デイサービスや施設での生活に徐々に慣れていかれました。

K様以外にも、自宅で畑作業をされていた方で、個別的な運動には拒否があっても畑作業や屋外散策等であれば笑顔で取り組まれる方、介護のお仕事をされていた経験を活かしてボランティアスタッフとしてデイサービスに来られて日課に取り組まれている方もいらっしゃいます。このように方法は様々であっても、最終的には目的に沿ったリハビリテーションの提供に繋がっています。

今後も、たでいけ至福の園は充実した【至福ケア会議】をもとに、利用者様の歩んできた人生や大切にしていることに寄り添い、一人ひとりの「自分らしさ」に向き合いながら、多職種でサポートして参ります。

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