都城市・三股町の皆様こんにちは。
作業療法士の山本です。
今回は私たちセラピストが向き合うことの多い「注意障害」について簡単にお伝えしたいと思います。注意障害とは、脳梗塞後遺症の高次脳機能障害や、認知症の方に多く見られる障害の一つです。病気やケガによる脳の損傷、加齢などにより、注意機能が障害されることで起こります。
注意機能といわれてもピンと来ないかもしれません。注意機能を大きく4つに分けてそれぞれの特徴を見ていくと、それが正常に機能することで様々な行動が円滑に進められていること、障害されるとどんな症状が出てくるか、がわかります。
① 持続性注意:対象への注意を持続させる
注意力や集中力を持続させて1つのことを続ける機能
障害されると、注意持続困難になる
例) 作業をすぐに中断する、ぼんやりする
食事をすぐに中断する
シャツを着てボタンを留めずに動作を終える
作業中のミスが増える(集中して作業に取り組めない為) など
② 転導性(転換性)注意:対象を切り替える
1つのことに注意を向けているときに、他のことに注意を切り替える機能
障害されると、過剰に注意が切り替わったり、切り替えが困難になる
例)過剰に注意が切り替わるケース
周りの刺激(音など)が気になり、作業をすぐに中断する
トイレに行きたいのに気がそれて失敗する など
例) 切り替えが困難になるケース
食事中、同じものばかり食べ続ける
本を読んでいる最中に電話が鳴っても、電話に気付かない
歯を磨いた後に口を濯ぐ、という次の動作への切り替えが出来ない など
③ 選択性注意:対象を選ぶ
多くの情報から今必要な情報だけを選ぶ機能
騒がしい場所で特定の相手と会話をすることができるのは、実はたくさんの人の声や音の中から、聞こうとする相手の声を選ぶことができるこの機能が備わっているからです。
障害されると、
例)気が散りやすく、見落とし、聞き落としたりすることが増える。
対面して話をしないと伝わらないことが多い
買物の際に正確な支払いができない(正確な金額のお金を選ぶのが困難)
道を間違え、迷う など
④ 分配性(配分性)注意:複数の対象へ注意を配分する
複数のことに同時に注意を向けながら行動する機能
障害されると、
例)二つ以上のことに気を配りながら作業をすることが困難になる。順序よく実行することが困難になる。
電話をしながらメモが取れない
運転しながら会話が出来ない
鍋を火にかけて、同時に野菜を切ることが出来ない など
私事ですが、専門職としての勉強をする前は、注意が障害されると聞くと、集中力がなくなるとか、周囲に気を配ることが出来なくなる、程度のイメージしかありませんでした。しかし先に挙げたような「注意機能」を細かくみていくと、生活動作そのものに様々な障害が出てくることがわかります。注意障害により、今まで出来ていた行動がうまく出来なくなることで、不安になったり、自信喪失してしまうという問題も出てきます。
注意障害へのケアは、注意がそれないような環境を設定する、作業を分割して出来るようにするなど、環境設定のアプローチが大切です。リハビリの時間だけ環境設定しても家に帰ればリセットされてしまいます。環境設定には周囲の理解、協力が重要です。正しい知識を付けて見守っていける環境づくりを地域やご家族に働きかけていくのも私たちの役目かなと考えています。