「家に帰りたい」に寄り添う支援

2023年9月13日(水)

三股町、都城市の皆さまこんにちは。

たでいけ至福の園で理学療法士として勤めております河野と申します。

今回は超高齢で骨折をされ、その後病院での入退院を経て当施設で在宅復帰を目指されたI様のエピソードを上げさせていただきます。

I様は骨折後入院され治療やリハビリを行っておりましたが、精神的な落ち込みや身体的にも自宅に帰るには不安の残る状態でした。家族様も「このままでは家での生活が難しい。でも返してあげたい」と悩まれている状況で、当施設の入所となりました。

ご自宅に戻る上で重要なのは本人の身体の状況などもありますが、家族様の理解が最も重要だと思います。そこで担当ケアマネージャー、施設相談員のスタッフと共にたびたびご自宅を訪問させていただき、家族様と在宅生活のイメージを共有しつつ家屋環境の調整を行いました。2度目の訪問ではI様も同行して頂き一緒にイメージの共有を目指しました。また、I様は一時帰宅されたとき自宅の庭を見ながらくつろぎ和まれている様子でした。実際その後の施設での生活では、自身からできることを行おうと積極的に集団訓練やリハビリに取り組まれる姿を多くみるようになりました。

最終的にはベッドからの起き上がりやトイレがなんとか自身で行えるようになり在宅復帰に繋げることができました。

在宅復帰に繋がった主な要因として、復帰までの時期を明確にして、その過程の中で具体的に何を行っていくかを家族様と共有できたことがとても影響が大きかったと感じています。特にお泊りで実際の生活を具体化していき、その中で疑問に思ったことや問題になったことを電話やカンファレンスでタイムリーに話し合いできたことで家族様の不安も軽減されてきたと感じています。

どんな家族様もいきなりケガや病気をされて動けなくなった家族を自宅で見るのは不安やプレッシャーがあり戸惑われるかと思います。家族様に具体的な生活イメージが行えるようにフォローしつつ、精神的不安に寄り添うことが私たちリハビリ職の重要な役割だと考えています。

I様は現在も自宅から当施設に通われていますが、まだまだ課題はあります。今後もより長くご自宅での生活が安心して行えるよう寄り添った支援を提供していきたいと考えております。

「家に帰りたい」と希望のある方はたくさんいらっしゃると思います。たでいけ至福の園ではそんな方々を今後も寄り添った支援でサポートしていきます。

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