都城・三股にお住いの皆さまこんにちは、作業療法士の中山玲奈です。
皆さんは日々どなたかと会話をされていますか?
会話には挨拶や世間話など色々あるかと思います。誰とどんな話を…と振り返ることはないくらい私たちは無意識のうちに誰かと関わっています。
ところが、昨今、コロナウイルスへの感染の恐怖から、人とのかかわりが薄くなり、これまで当たり前であった隣近所や親せき・知人との会話の機会も減ってきているのではないでしょうか?
これは施設においては特に顕著に表れています。面会制限が続く中で、ご家族や地域の方との交流がなかなか持てない状況が続いていることを私たちもとても心配しているところです。
特に、認知症をお持ちの方にとっては、『人とのつながり』が心身機能に大きく影響すると考えています。認知症の症状は様々ですが(9/24投稿内容参照)、BPSDの中に抑うつや意欲低下、不眠等があります。日常生活の不活発化や何をするにもおっくうだ、やる気が出ないといったものです。
このような状況の中にあっても、何とかしてご家族や地域の方々との交流の機会を持ちたいと考え、農作業によるリハビリを通して交流のあった都城農業高校にオンラインでの交流の機会が持てないかと打診したところ、快諾をいただき、先日同校のライフデザイン科の学生さんとのオンライン交流が実現しました。
自己紹介に始まり、農作業や料理についてお互いに語り合い、学生さんからの質問に対し、「わたしの時はこうしてたよ」得意げに語る利用者様。
『教える-教えられる関係』を通してまだまだ私役に立つんだと役割を持つことができ自信の獲得を図っています。
そのあとは「あんたたちは付き合ってる人はおるとね?」などとゆかいな質問も飛び出し、実に楽しい時間となりました。 コロナが収束したら会うことを約束して、和やかに終了しました。
また同年代間の利用者様同士との会話では、思い出の共有や気兼ねない世間話が出来るなど、相手によっても様々な交流が行われています。私たちも利用者様同士で会話が広がるような働きかけを行っているところです。
先日のことですが、ある利用者様が別の利用者様に心配事を相談したところ、
「大丈夫。できたひこでよかが」(出来る範囲ででやればいいんだ)と言われ、
つかえてい思いがスカッとされるという出来事がありました。
利用者様同士の会話によって、このように前向きな心理状態になれば抑うつや意欲の低下を防ぐことが出来るのではないかと考えています。
地域の活動として三股町ではふれあい・いきいきサロンが開かれ、自宅で孤立しないための人とのかかわりの場を設けてあります。住み慣れた自宅で、長く暮らしていくためのサポートをたでいけ至福の園としても実施してまいります。
参考文献:一般社団法人 作業療法士協会 作業療法ガイドライン 認知症