作業療法士が関わるお食事の支援

2024年9月18日(水)

 三股町、都城市の皆様!こんにちは。

 今年の5月よりたでいけ至福の園で勤務しております作業療法士の渡邊です。

 急性期病院、介護老人保健施設での勤務経験を活かしながら、ご利用者様の日々の生活がより良いものになるようにお手伝いをさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私が今まで作業療法士として勤務する中で、「作業療法士と理学療法士って何が違うのですか?」と聞かれることがよくありました。ですので、作業療法士が普段どんなことをしているのか皆様に少しでも知っていただけたらと思い、今回は作業療法士の仕事の1つである福祉用具支援についてお話させていただきます。

 作業療法士は、福祉用具支援として、それぞれのお身体の状態に合わせて現在できる能力を活かし、ご自分の力で出来るように環境を調整したり、自助具といわれる道具の選定や製作をしたりさせていただくことがあります。

 今回は、その中のお食事場面での支援について、ごく一部ではありますが、ご紹介させていただきます。

 皆様はお食事をされる際に、どのような姿勢で、どのような食器や道具を使用されていますか? 一度の食事でも お箸やスプーン、コップ、お皿やお椀など様々な道具や食器が使われています。また、右利きの方もいれば左利きの方もいらっしゃいますし、それぞれお食事の方法にも違いがあります。

 病気や怪我などで片方の手が使いづらくなった場合、今まで使っていたお箸をうまく使えない、スプーンを持つことができない、食事の形態によってはお皿からうまくすくって食べることができずに食べこぼしが多くなってしまうなど自分でやりたくてもできなくなってしまうことがあります。その際に身の回りの動作をなるべくご自身で出来るように補助するお食事用の自助具を使用することでお食事がしやすくなることがあります。

 お食事場面で使用される自助具にはお皿やお箸、スプーンなど様々な種類がありますが、作業療法士はご利用者様の状態に合わせて、その方の能力を活かし、できるだけ自分のペースで美味しくお食事が行えるように自助具の選定を行います。

 当施設の入居者様が使用されている自助食器の多くは、食器裏に滑り止めがついており、お皿のふちに返しがあるもので、片手でもすくいやすい特徴のある食器です。右手で食事をするのか左手で食事をするのか、その方の状態によってお皿の向きを変え、ご自身で食べやすい環境を整えることができます。

 さらには、手を握る力が弱い方や手首を動かしにくい方でも握りやすいようにスプーン・フォークの柄の太さや長さ、角度の調整、重さを軽いものに変更して評価を行います。利き手でなくても使いやすくものがつまみやすいバネ付きのお箸やスプーン・フォークを握ることが難しい場合には万能カフとよばれるバンドでスプーンやフォークなどを手に固定し、動作を補助する自助具の使用を提案させていただくこともあります。また、ご紹介した自助具をうまく組み合わせて使っていただくことによって、お食事の動作が可能になることもあります。

 その他にも、認知機能の低下や高次脳機能障害とよばれる症状で、お皿がたくさんあるとお食事に集中できなかったりする場合もありますので、その方の症状に合わせて複数あるお皿をワンプレートにしてお食事の提供を行ったり、お皿の色を変更したりして、食物を認識しやすい状態にするなど食器の選定や食事環境の調整を行うこともあります。

 作業療法士は、ご利用者様の症状や習慣などに合わせて自助具の選定を行いますが、既製品では合わないこともあります。その場合は一から製作することもあります。最近では100円均一などで購入できる自助具も増えてきています。

 今回ご紹介したお食事場面の福祉用具支援以外でも、最近靴下の脱ぎ履きしにくい、指先の細かい動作が難しくて洋服のボタンがとめにくい、文字を書きたいけどうまくペンが握れない等、日常生活の中でお困りごとがありましたら、なんでもご相談ください。たでいけ至福の園でいつでもお待ちしております。

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