農作業をリハビリに活かす

2020年9月24日(木)

都城市・三股町の皆様こんにちは
たでいけ至福の園デイサービスにて作業療法士をしている中山玲奈と申します。
今回は私の所属するリハビリ特化型あゆみでの取り組みを紹介させていただきます。
あゆみではその名のとおり歩行に焦点を当てた介入を行っていますが(前々回ブログ参照)、今回はその歩行訓練を活かし農作業を認知症に対するリハビリテーションとして行っている活動についてご紹介いたします。

三股町・都城市では現在でも農業に携わりながら生活している方が多くいらっしゃいます。農業との距離が近く昔から慣れ親しんできたことを訓練の一環として利用者様の生活期リハビリを実施できないかと考え、始めました。

認知症に対する治療としては、薬物介入と非薬物介入がありますが、“BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)で使用される薬剤は錐体外路障害や過鎮静などADLに影響を与える薬物有害事象が起きやすいため、まずは非薬物療法が推奨されています。たでいけ至福の園では、非薬物療法として、農作業を用い「身体機能維持・改善」「会話の種まき」「自立支援のきっかけづくり」を目的に取り組んでいます。また、農作業が認知症に与える変化をADL(日常生活動作)や生活におけるモチベーション、心身機能面から追って定期的に評価を実施しています。

爪の中や手に土をいっぱいつけながら、葉をかき分け、収穫物を見つけ、五感を通して収穫を楽しまれている様子です。

懐かしい農作業に思わず笑顔がこぼれます。農作業中は本当に生き生きした表情で作業に取り組まれています。

利用者様お一人おひとりが生きてこられた背景に目を向け、その方を形成する一部を見出し現在の生活を穏やかに送っていただけるよう介入を行っています。そのために、たでいけ至福の園では農業だけでなく、様々なジャンルからのかかわりを実施しています。今後もその取り組みをこの場で少しずつ発信していけたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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