口から食べるということ。

2021年10月27日(水)

三股町、都城市の皆さまこんにちは。

たでいけ至福の園で「口から食べるリハビリ」を担当している言語聴覚士(ST)の石谷です。

今回は「口から食べる」という事についてお話ししたいと思います。

突然ですが皆様…

「今何が食べたいですか?」

この質問は僕がこの仕事を初めてからご飯が食べられないと診断された方々に初めにする質問です。

ご飯を食べられなくなることを一般的に「嚥下障害」と呼ぶのですが、今では介護施設に入所された方の4割弱がこの嚥下障害を抱えているとされています。

今まで普通に食べていた事実が喪失してしまう悲しみは、言葉では言い表す手段がないほど辛いことだろうと、この仕事をやっていると常々思います。

では、そういった方々は、この先、口からは何も食べられないまま一生を終えてしまうのでしょうか?

多くの介護現場では、経管栄養状態で入居されると、亡くなるまで経管栄養状態で過ごされることが多くあります。

しかし、たでいけ至福の園は、食べることをあきらめたくはありません。

嚥下に障害を抱える方に、リスクを最小限にして、どうにか一口でも多く食べるためのリハビリを行う。

可能な限り「食べたい」、「食べさせたい」と言う気持ちに応えたいと思っています。

朝昼晩の3食は食べれなくても、毎日好きな羊羹を1切れだけでも口から食べる。

誕生日に食べたい物を口から一口でも食べて頂く。

そういったリハビリをするのが言語聴覚士です。

たでいけ至福の園では嚥下障害を抱える方々にもう一度口から食べて頂くために、言語聴覚士だけではなく、管理栄養士・介護士・看護師・ケアマネージャー・理学療法士・作業療法士など全ての職業が一丸となって、利用者様の「その一口」の為に一生懸命、サポートさせていただいております。

利用者様が笑顔で『おいしい』といっていただけるよう。

御家族様が『食べられてよかったね』と言っていただけるよう。

我々は日々利用者様の「一口」に真剣に向き合って行きます。

今、何が食べたいですか?

そして、何を食べさせたいですか?

私は当たり前に食べられる事に感謝して、今夜も食事をいただこうと思います。

そしてまた明日から、利用者様が「口から食べる幸せ」を感じていただけるよう、努力してまいります。

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